イチゴは家庭菜園の中でも特に人気の高い果実です。スーパーで買うものよりも甘くて新鮮なイチゴを自分で育てる喜びは格別。秋に苗を植えれば翌春にたっぷり収穫できます。この記事では初心者でも成功できるイチゴの育て方を、土づくりから収穫まで徹底解説します。
- イチゴ栽培の基本情報
- 栽培スケジュール
- 土づくりと植え付け
- 植え付けのポイント(クラウンの位置・ランナーの向き)
- 水やり・追肥・花の管理
- ランナー(子苗)の活用
- 収穫のタイミングと方法
- 病害虫対策
- まとめ
イチゴ栽培の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 科・属 | バラ科オランダイチゴ属 |
| 原産地 | 南北アメリカ(交配品種) |
| 栽培難易度 | ★★★☆☆(やや難しい) |
| 生育適温 | 17〜20℃(花芽分化:夜温13℃以下・日長13時間以下) |
| 植え付け時期 | 9月下旬〜11月上旬(秋植えが基本) |
| 収穫時期 | 3月下旬〜5月(露地)、12月〜5月(マルチ・トンネル) |
| 収穫までの期間 | 植え付けから約5〜7ヶ月 |
| 主な品種 | 章姫・とちおとめ・あまおう・紅ほっぺ・さちのか |
栽培スケジュール(関東基準)
| 作業 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | ▶ | ▶ | ▶ | |||||||||
| 収穫 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ||||||
| 追肥 | ● | ● | ● | ● | ● |
▶ 植え付け期間 ◎ 収穫最盛期 ○ 収穫可 ● 追肥タイミング
土づくりと植え床の準備
イチゴは水はけがよく、やや酸性の土(pH5.5〜6.5)を好みます。植え付けの2〜3週間前に土づくりを済ませておきましょう。
畑の場合
- 苦土石灰を1㎡あたり100gまいてpHを調整する
- 完熟堆肥を1㎡あたり2kg、元肥(化成肥料)を1㎡あたり80g施す
- よく耕してから幅60〜70cmの畝を立てる
- 黒マルチを張ると地温確保・雑草抑制・果実汚れ防止に効果的
プランターの場合
- 深さ20cm以上・幅60cm程度のプランターを用意する
- 市販の野菜用培養土を使うと元肥も入っており手軽
- 鉢底石を2〜3cm敷いて排水性を高める
- 日当たりのよい場所に置く(南向きが理想)
植え付けのポイント

イチゴの植え付けには2つの重要なポイントがあります。これを守るかどうかで収穫量が大きく変わります。
①クラウン(株元)の位置
クラウン(茎の基部)は土の表面に出るように植えるのが基本です。深すぎると腐れやすく、浅すぎると乾燥して枯れる原因になります。
💡 クラウンが半分見えるくらいが理想。「首が出るくらい」と覚えておくと分かりやすい。
②ランナーの向きを揃える
苗にはランナー(子苗をつなぐ茎)の跡があります。ランナーの跡を通路側(外側)に向けて植えると、果実が畝の外側に実って収穫・管理がしやすくなります。
株間・条間の目安
| 栽培場所 | 株間 | 条間・備考 |
|---|---|---|
| 畑(1条植え) | 25〜30cm | 通路幅60cm確保 |
| 畑(2条植え) | 25〜30cm | 条間30cm、畝幅70cm |
| プランター | 25cm以上 | 60cmプランターで2株が目安 |
水やり・追肥・花の管理
| 管理項目 | 方法・頻度 | 注意点 |
|---|---|---|
| 💧 水やり | 土の表面が乾いたら株元にたっぷり | 葉・花・果実に水がかかると病気の原因に。株元だけに与える |
| 🌱 追肥 | 10月・11月・1月・2月・5月(計4〜5回) | 花が咲いている時期(3〜4月)は窒素を控えめに。過剰施肥は葉ばかり茂らせる |
| 🌸 花の管理 | 最初の花(第1花房)を大切に残す | 1花房につき実が多すぎる場合は花を摘んで大きい実に集中させる |
| 🍃 古葉取り | 黄色くなった葉・病害葉を随時除去 | 通気性を保ち病気を予防。健全な緑葉は残す |
| 🌡️ 防寒(マルチ) | 12月〜2月にトンネルやワラを敷く | マルチは地温を上げ雑草・泥はね・灰色かび病を防ぐ |
ランナー(子苗)の活用
イチゴは収穫後の5〜8月にランナー(走茎)を伸ばして子苗をつくります。この子苗を育てれば翌年も苗を購入せずに栽培を続けられます。
子苗の取り方
- 親株からのランナーを伸ばす:収穫が終わったら追肥してランナーを伸ばす
- ポットに誘引して発根させる:子苗の下に小さなポットを置き、ランナーごと土に挿して発根させる
- 2番苗・3番苗を選ぶ:親株に近い1番苗より2〜3番苗の方が充実した苗になりやすい
- 8月下旬〜9月に切り離す:根がしっかり張ったらランナーをカットして独立させる
💡 親株は病害虫に感染しやすくなるため、3〜4年で更新するのがおすすめです。
収穫のタイミングと方法
イチゴの収穫適期は果実全体が赤くなってから2〜3日後が甘さのピーク。緑色が残っているうちに収穫すると酸味が強くなります。
収穫のサイン
- 🍓 果実全体が鮮やかな赤色になっている
- 🍓 ヘタの付け根まで赤くなっている
- 🍓 甘い香りがしてくる
- 🍓 果実が少し柔らかくなる(完熟のサイン)
収穫の方法
- ハサミや爪でヘタの少し上(茎ごと)を切り取る
- 果実を引っ張らない(株が傷む原因になる)
- 朝の涼しい時間帯に収穫すると糖度が高い
- 収穫後はできるだけ早く食べる(常温で1〜2日が限度)
病害虫対策
| 症状・害虫 | 原因 | 対処法・予防 |
|---|---|---|
| 灰色かび病 | 多湿・密植・古葉の放置 | 古葉を除去し通気性を確保。マルチで泥はねを防ぐ |
| うどんこ病 | 乾燥・昼夜の温度差が大きい時期 | 白い粉が葉に付着したら初期に薬剤散布。密植を避ける |
| アブラムシ | 窒素過多・天敵不在 | 新葉・花茎に寄生。見つけ次第手で除去または水で洗い流す |
| ハダニ | 乾燥・高温(夏〜秋に多い) | 葉裏に小さな虫。葉に水を吹きかける。繁殖力が高いので早期対処を |
| ナメクジ・カタツムリ | 夜間・雨天に活動 | 果実を食害する。誘殺剤・銅テープが有効。マルチで隠れ場所を減らす |
| 鳥害 | 赤く熟した果実を狙われる | 防鳥ネット・CDなどの反射材を設置する |
まとめ:イチゴ栽培の成功ポイント6つ
- ✅ 秋に苗を植える:9月下旬〜11月が植え付けの適期。春植えは収穫量が少ない
- ✅ クラウンを土から出す:深植えは腐れの原因。首が見えるくらいが適切
- ✅ ランナーの向きを通路側に:果実が外向きに実り収穫しやすくなる
- ✅ 花が咲いたら窒素を控える:葉ばかり茂って実がつかなくなる
- ✅ 古葉を定期的に除去:通気性を保ち灰色かび病などを予防
- ✅ ランナーで翌年の苗を確保:収穫後に子苗を育てれば毎年続けられる
イチゴは少し手がかかりますが、真っ赤に実ったイチゴを摘み取る喜びは格別です。ポイントを押さえて、甘くておいしいイチゴを育ててみましょう!

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